毎年BBCの全国ニュースや各新聞で報道され、今や国民行事の一つとなっている感さえあるAレベル発表の日。
イギリスの大学入試合否の発表の日なのですが、例年メディアの分析がかまびすしい。
北部と南部のグレード分布の差だとか、公立と私立のオックスブリッジ合格比だとか、コロナ以前の状況に戻ったかどうかとか、とかく政治や社会の問題に絡めて論議の対象にしてしまうのがイギリスらしい。
私にとっては、そんなことより、お世話をした生徒さんたちの合否が気になる。幸いにして、下記写真のRちゃん、Yちゃんはじめ、皆志望通りの大学に進学を決めたようで、ほっと安心しました。
そして私は、発表当日の朝、一人の生徒さんのAレベルの結果を取りに彼女の出身校に行っていました。(注:これは仕事としては行っていません)
青豆のリゾットも、ローストチキンも、ピサルディーも、どれも美味しかったね
続いては、今年6月に大学を卒業してこの日はこれから帰国のY一朗くん。
さて、7月から学年末、卒業生お見送り、サマースクールの始まりと来て、8月に入ってからはAレベルの結果発表(そして次の週はGCSEの結果発表)引き続きのサマースクール、9月から始まる11+&13+(イギリスの中学受験)の最後の追い込みレッスンと、生徒さんたちと一緒に忙しく過ぎた私の夏でした。
自分の学校の6th Form (Aレベル課程)のプロスペクタス(学校案内)の表紙写真にもなっている(左下写真)この子は本当に頑張った!
日本人なのにGCSE課程途中のY11からイギリスの公立校に編入。同級生が過去一年間に習った勉強を一人で復習しながら、皆と一緒に新しい単元を習得、同時にわずか一年弱後に行われた複数科目のGCSE試験の準備も行ったという驚くべき賢い生徒。お父さんの駐在でのイギリス生活が二度目とは言え、前回の滞在の時はまだ小学生、4年間のギャップがありました。
私立校はGCSE課程の中途編入を認めません。公立校が彼女の編入を許可したのは、学校はつまり特別なサポートをしないから。入れてあげるから自力で頑張りなさい、ということです。本人にとっては嵐の海に一人で船を漕ぎ出す気持ちだったことでしょう。
9月の新学期から半年経って、これは無理、と判断したお母さんから相談を受けて、息子のもとに駆け込みでやってきました。数学はよくできたので、とにかくサイエンス三科目、生物、化学、物理に集中して勉強。息子と二人で毎週何時間も頑張った!これだけでも大変だったのに、歴史や英語は一人で勉強したのですから、本当に賢いのです。そのかいあって、サイエンス三科目で目標より高いグレードを取得、Aレベルでは希望通りの科目を選択することができました。(**成績が悪いとAレベルで希望科目が選択できない。従って、大学で自分の目指す学部に入れません)
あれから2年。この日は走り続けた彼女のAレベル、つまり高校最後の試験の結果発表でした。予想通りこちらも大変いい成績で、本当に良かったです!
ちなみに、私が手にしている学校全体のプロスペクタス(学校案内)の表紙になっている少年もうちの生徒さん。お母さんの留学でイギリスに滞在していた4年間、ほぼ毎週息子にチェス、英語、数学を習いに来てくれました。去年の10月に帰国して今年4月から中学生になったけど、久しぶりに会えた気持ちで嬉しかったなあ。
そしてこちらは、かつてのガーディアン受け持ち生徒だったMちゃん。
この子のAレベル発表の日はもう三年前になるのか、彼女も素晴らしい結果で希望通りの大学に進学しました。この秋からは大学院でさらに勉強を続けます。
この日は久しぶりに二人でケンジントンのフレンチブラッセリーにランチにおでかけ。清楚で知的美人のMちゃんは、小さいころから続けているピアノもとても上手です。
Aレベルの頃から我が家にホームステイにやってきて、大学時代は下宿生として家族のように過ごした日々、長いお付き合いでした。空港へ向かうタクシーを見送る気持ちは、彼の旅立ちを祝福するすがすがしい気持ちと、同時にやっぱり何とも言えず寂しい気持ちで胸がいっぱい。
思えばこの子のAレベル発表の年は、コロナ騒ぎ真っただ中で、結果発表が揺れに揺れた年。試験結果が二度発表になるなど混乱を極め、どれだけ心配したことか。無事イギリスの大学を卒業し、日本に帰国する今となってはすべてが思い出です。
そして次に、Aレベル予備軍の子は、現在のガーディアン受け持ち生徒のYちゃん。この9月からGCSE課程Y10に進学します。
留学2年目。すっかり学校に溶け込んでいるYちゃん。
この日は学年末の式典が行われました。主役は卒業生と先生方。彼らは右下の写真のように正式のガウン姿!送る在校生は制服。今はまだ14歳のこの子も4年後にはAレベル発表の日を迎えるのだなあ。まだまだ?いえいえ、きっとあっという間です。
青空の広がる素晴らしい初夏のお天気の一日で、イギリスらしく式典は緑の芝生の上で行われました。正面の校舎はgrade 1 listed(バッキンガム宮殿や国会議事堂と同じく国の保護建築)の由緒ある建物。
式典終了後は、イギリスらしく戸外でガーデンパーティ。
イギリスの夏の風物詩ピムスは、オレンジやレモン、ミント、キュウリの入ったさっぱりしたカクテル。食べ物の方は、何種類かのサラダとともに、濛々と煙を上げて焼くチキンやビーフ、ハンバーガーが欠かせません。
サマードレスでもスーツでも、平気で芝生の上に座っちゃうイギリスの方々。
私の隣のご婦人方は、GCSE へッドの先生とアドミッションのヘッド。日ごろから子供たちがお世話になっています!
新学年開始を前に、受け持ちの生徒さんたちがイギリスに戻ってくる前の束の間のひととき。久しぶりのお友達と我が家でプレディナードリンク。
一人の方とは息子の小学校以来のお付き合い、もう一人の方は息子の中学校の後輩のお母さん、つまりお二人ともかつてのママ友です。自分たちの子供たちや、その友達のキャッチアップに花が咲く。続いての話題は、自分の仕事と健康、親の介護、昨今のイギリスと日本の話題、老後はどうする??人生走り抜けて、いつの間にかそんな年になりました。
しかし、三人とも大学の講師、英語ニュースの編集、バイリンガル教育と留学、といまだに現役。
お二人とも私より7歳下ですが、一人の方は最近お孫さんに恵まれ、本当に可愛いのよ、と、目を細めて語ってくださいました。
私は自分の孫はまだいないけど、職業柄小さな子供や若い生徒さんたちに元気をもらうことが多いから、本当にこの仕事はいいなと思える。9月が楽しみです
#
by mummysophia
| 2024-08-24 16:19
| イギリスの学校と教育
|
Comments(0)