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Aレベル
毎年BBCの全国ニュースや各新聞で報道され、今や国民行事の一つとなっている感さえあるAレベル発表の日。

イギリスの大学入試合否の発表の日なのですが、例年メディアの分析がかまびすしい。
北部と南部のグレード分布の差だとか、公立と私立のオックスブリッジ合格比だとか、コロナ以前の状況に戻ったかどうかとか、とかく政治や社会の問題に絡めて論議の対象にしてしまうのがイギリスらしい。

私にとっては、そんなことより、お世話をした生徒さんたちの合否が気になる。幸いにして、下記写真のRちゃん、Yちゃんはじめ、皆志望通りの大学に進学を決めたようで、ほっと安心しました。
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そして私は、発表当日の朝、一人の生徒さんのAレベルの結果を取りに彼女の出身校に行っていました。(注:これは仕事としては行っていません)

自分の学校の6th Form (Aレベル課程)のプロスペクタス(学校案内)の表紙写真にもなっている(左下写真)この子は本当に頑張った!

日本人なのにGCSE課程途中のY11からイギリスの公立校に編入。同級生が過去一年間に習った勉強を一人で復習しながら、皆と一緒に新しい単元を習得、同時にわずか一年弱後に行われた複数科目のGCSE試験の準備も行ったという驚くべき賢い生徒。お父さんの駐在でのイギリス生活が二度目とは言え、前回の滞在の時はまだ小学生、4年間のギャップがありました。

私立校はGCSE課程の中途編入を認めません。公立校が彼女の編入を許可したのは、学校はつまり特別なサポートをしないから。入れてあげるから自力で頑張りなさい、ということです。本人にとっては嵐の海に一人で船を漕ぎ出す気持ちだったことでしょう。

9月の新学期から半年経って、これは無理、と判断したお母さんから相談を受けて、息子のもとに駆け込みでやってきました。数学はよくできたので、とにかくサイエンス三科目、生物、化学、物理に集中して勉強。息子と二人で毎週何時間も頑張った!これだけでも大変だったのに、歴史や英語は一人で勉強したのですから、本当に賢いのです。そのかいあって、サイエンス三科目で目標より高いグレードを取得、Aレベルでは希望通りの科目を選択することができました。(**成績が悪いとAレベルで希望科目が選択できない。従って、大学で自分の目指す学部に入れません)

あれから2年。この日は走り続けた彼女のAレベル、つまり高校最後の試験の結果発表でした。予想通りこちらも大変いい成績で、本当に良かったです!

ちなみに、私が手にしている学校全体のプロスペクタス(学校案内)の表紙になっている少年もうちの生徒さん。お母さんの留学でイギリスに滞在していた4年間、ほぼ毎週息子にチェス、英語、数学を習いに来てくれました。去年の10月に帰国して今年4月から中学生になったけど、久しぶりに会えた気持ちで嬉しかったなあ。
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そしてこちらは、かつてのガーディアン受け持ち生徒だったMちゃん。

この子のAレベル発表の日はもう三年前になるのか、彼女も素晴らしい結果で希望通りの大学に進学しました。この秋からは大学院でさらに勉強を続けます。

この日は久しぶりに二人でケンジントンのフレンチブラッセリーにランチにおでかけ。清楚で知的美人のMちゃんは、小さいころから続けているピアノもとても上手です。
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青豆のリゾットも、ローストチキンも、ピサルディーも、どれも美味しかったね126.png111.png
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続いては、今年6月に大学を卒業してこの日はこれから帰国のY一朗くん。

Aレベルの頃から我が家にホームステイにやってきて、大学時代は下宿生として家族のように過ごした日々、長いお付き合いでした。空港へ向かうタクシーを見送る気持ちは、彼の旅立ちを祝福するすがすがしい気持ちと、同時にやっぱり何とも言えず寂しい気持ちで胸がいっぱい。

思えばこの子のAレベル発表の年は、コロナ騒ぎ真っただ中で、結果発表が揺れに揺れた年。試験結果が二度発表になるなど混乱を極め、どれだけ心配したことか。無事イギリスの大学を卒業し、日本に帰国する今となってはすべてが思い出です。
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そして次に、Aレベル予備軍の子は、現在のガーディアン受け持ち生徒のYちゃん。この9月からGCSE課程Y10に進学します。

留学2年目。すっかり学校に溶け込んでいるYちゃん。
この日は学年末の式典が行われました。主役は卒業生と先生方。彼らは右下の写真のように正式のガウン姿!送る在校生は制服。今はまだ14歳のこの子も4年後にはAレベル発表の日を迎えるのだなあ。まだまだ?いえいえ、きっとあっという間です。

青空の広がる素晴らしい初夏のお天気の一日で、イギリスらしく式典は緑の芝生の上で行われました。正面の校舎はgrade 1 listed(バッキンガム宮殿や国会議事堂と同じく国の保護建築)の由緒ある建物。
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式典終了後は、イギリスらしく戸外でガーデンパーティ。

イギリスの夏の風物詩ピムスは、オレンジやレモン、ミント、キュウリの入ったさっぱりしたカクテル。食べ物の方は、何種類かのサラダとともに、濛々と煙を上げて焼くチキンやビーフ、ハンバーガーが欠かせません。
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サマードレスでもスーツでも、平気で芝生の上に座っちゃうイギリスの方々。

私の隣のご婦人方は、GCSE へッドの先生とアドミッションのヘッド。日ごろから子供たちがお世話になっています!
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さて、7月から学年末、卒業生お見送り、サマースクールの始まりと来て、8月に入ってからはAレベルの結果発表(そして次の週はGCSEの結果発表)引き続きのサマースクール、9月から始まる11+&13+(イギリスの中学受験)の最後の追い込みレッスンと、生徒さんたちと一緒に忙しく過ぎた私の夏でした。

新学年開始を前に、受け持ちの生徒さんたちがイギリスに戻ってくる前の束の間のひととき。久しぶりのお友達と我が家でプレディナードリンク。

一人の方とは息子の小学校以来のお付き合い、もう一人の方は息子の中学校の後輩のお母さん、つまりお二人ともかつてのママ友です。自分たちの子供たちや、その友達のキャッチアップに花が咲く。続いての話題は、自分の仕事と健康、親の介護、昨今のイギリスと日本の話題、老後はどうする??人生走り抜けて、いつの間にかそんな年になりました。

しかし、三人とも大学の講師、英語ニュースの編集、バイリンガル教育と留学、といまだに現役。
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お二人とも私より7歳下ですが、一人の方は最近お孫さんに恵まれ、本当に可愛いのよ、と、目を細めて語ってくださいました。

私は自分の孫はまだいないけど、職業柄小さな子供や若い生徒さんたちに元気をもらうことが多いから、本当にこの仕事はいいなと思える。9月が楽しみです177.png101.png


# by mummysophia | 2024-08-24 16:19 | イギリスの学校と教育 | Comments(0)
サマースクール
8月も半ばを過ぎ、朝夕なんだか肌寒くなったと感じる今日この頃、今年のサマースクールもそろそろ終盤に近付いてきました。

ヒースロー空港のお出迎えとお見送りももう慣れたもの。最近は愛犬トフィーを連れていく余裕が出てきて、キャー、可愛いっ!と、子供たちにも喜んでもらっています。

日本から緊張と不安な気持ちいっぱいで飛行機を降り立つ生徒さんたちに、トフィーはなかなかの人気者。

顔見知りになった同業他社エージェントさんたちとも笑顔で情報交換。時にはちょっと見ててもらっていいですか?私はあちらを探してきますね、と協力し合ったりも。
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イギリスのサマースクールは、伝統があり、毎年世界中から多くの子供たちが参加する一大産業。プログラムもよくできているし、オーガナイゼーションも本当にしっかりしています。

こちらは北ロンドンのボーディングサマースクールの寮。
北ロンドンは、10世紀までは一帯がうっそうとした深い森であったところ。今もロンドン市内とは思えないほど豊かな自然がいっぱいです。
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この日私の受け持ち生徒のSちゃんは、空港お出迎えの学校スタッフに迎えられ、他の生徒さんたちと一緒に学校ドライバーの運転するミニバスで無事到着しました。学校の中はどんなところかな、とドキドキ。

まず最初にしなければならないことは入寮手続き。まだパッと英語が出てこないけど、スポーティなお姉さんキャラの先生の優しい対応にほっとして、滞りなく手続きが終了しました。
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続いてお部屋に案内されました。二人部屋なので、ルームメートはどんな子なのかしら、と再びドキドキ。

笑顔で迎えてくれたのは、一歳年上のポーランド人のハナちゃん。優しい子でよかった!お部屋も清潔で広々していたので、ほっとして二度目のピースサインが出ました。

左下の写真はコモンルーム。寮生全員のリビングルームのようなお部屋です。
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寮の前の道は、下の写真のようにバーで交通制限をしていて、一般の車が入ってこれないようになっています。とても安全。
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下の写真は男子寮。建物は同じですが、フロアで区別。
3階が女子寮、4階が男子寮などとなっていて、階段を上ったところにドアがあり、正しいパスワードを入れないと扉が開かない仕組みになっています。

左上は学校からのトリップでロンドン観光に出かけた受け持ち生徒のKくん。お友達をたくさん作ってはじけてました!

下は空港に到着したばかりのT君とS君。東京の同じ中学校から来ました。お迎えの時は緊張してたけど、三日後にお母さんから、電話をしても「忙しい。」と切られるんだけど、いったいどうしてるんでしょうか、とお問い合わせが来るほど充実の日々を過ごした模様。
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楽しく忙しく過ぎたサマースクールもいよいよ最終日。ご飯もお泊りも勉強もスポーツも毎日一緒で、姉妹のように過ごしたお友達とも涙でお別れ。

ですが、これで終わりではないのですよ。別れは実は新しい友情の始まり。

サマースクールで一緒だったスペイン人のお友達が次の年に家族旅行で日本に来てくれた、とか、遊びに来て、と誘われてドイツ人のお友達のお宅にお邪魔した、あるいは日本人同士の場合は、何回か会ってお出かけしてるの、という話をよく聞きます。
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一番大切なのは、サマースクールは正規留学の水先案内であるという事実。

サマースクールでの楽しかった、充実していたというポジティブな経験が次につながっていくのです。長期留学をしたいという気持ちを呼び起こし、その思いは大きく育って、ある日揺るぎのない決心となり、翼をはばたかせ、飛び立つ原動力になる。

それを知っているからこそ、一人でも多くの子供たちにサマースクールに参加してほしいと願わずにはいられません。
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この9月から正規留学を開始するMちゃんは、私のサポートでこの三年間毎夏イギリスのサマースクールに来ていました。

都内でも有数の進学一貫校に通うMちゃんは、留学をしたいという気持ちはありながらも、日本の学校もお友達も大好き。いったいこの居心地の良さを捨ててまで留学する意味があるのか?とずっと考え続けていました。15歳ともなれば、留学がただ楽しいだけのものではないことも理解できます。お母さんも私も、そんなMちゃんに決して無理強いすることなく、彼女が自分で決心するまで黙って見守ってきました。私はそれぞれタイプの違うサマースクールを紹介しながら、結果留学してもしなくても、ただただMちゃんが納得のいく決断をしてくれればと。

「羅夢さん、ありがとう。」

今年の夏、サマースクール終了後の日本帰国の際、ヒースロー空港のカフェで、Mちゃんは私の目をまっすぐ見て、そう言ってくれました。

「羅夢さんが探してくれたサマースクールはどこも本当に楽しかった。9月から私頑張る。」

ああ、よかった。これからもあなたのイギリス留学をしっかりサポートしていきます110.png101.png

# by mummysophia | 2024-08-20 02:18 | イギリス留学 | Comments(0)
娘の住む街
以前このブログの中にも書いたのですが、娘は19歳で家を出て、今では夫になっている同じ年の彼と一緒に暮らし始めました。

初めてのボーイフレンド!手を握ったのもほっぺにチューも何もかも初めての相手。13歳からイギリスのボーディングスクール育ちのハンサムなロシア人男子。

そのまま22歳で学生結婚をしたので、結局私が娘と一緒に暮らしたのは20年弱。今思うと長かったような短かったような。

彼女が生まれてからずっと、ぴったりと寄り添うように濃い時間を一緒に過ごしてきたので、娘も私もよっぽどの思いをしないとお互いにうまく離れていくことができない、と心のどこかで分かっていました。彼の手を取った時、娘はこれだ、と思ったでしょうね。

そして、ある日いきなりの巣立ち。痛みが戦慄のように体中を走ったけれど、別々に暮らすようになってから、娘と私の関係は本当に良くなってきました。まあ、今となってはお互いに年を取って思いやりが出てきたということもありますね。学生だった娘は、人の妻となり、社会人となって、親の苦労もわかるようになってきたし、私もそれなりに様々な葛藤を潜り抜け、亀の甲より年の功、人生が何たるか多少はわかってきたからだとも言えます。

ロンドン育ちだった娘ですが、3年前に仕事を辞めて、再び勉強するためにロンドン外にお引っ越ししました。お互いに忙しい毎日なのでなかなか会えなくなったけど、先日ちょっと時間が空いたので、一泊で娘の家に遊びに行ってきました。

藤が花盛りの季節。
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娘の家から車で20分ほどのところにあるシェイクスピアの生誕地、ストラトフォード・アポン・エイボンに二人でお出かけ。

チューダースタイルのおうちが立ち並ぶ街並みは、統一された雰囲気が素敵。
16歳の愛犬トフィーも一緒に連れて行きました。
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シェイクスピアは謎の多い人物です。

21歳で生まれ故郷のここストラスフォード・アポン・エイボンを出奔。その時すでに彼には8歳年上の妻アン・ハサウェイと3人の子供がいました。ロンドンを目指すのですが、ロンドン到着後彼の足取りはぷっつり消え、そのあとなんと7年間も行方不明。次に彼が世の中に現れた時には、28歳の気鋭の劇作家として、俳優として、また現在のグローブ座の共同経営者として、世間に名を馳せていました。

それにしても21歳から28歳までシェイクスピアはいったいどこで何をしていたのか。シェイクスピア研究者はこの空白の数年間を'lost years'(失われた年月)と呼んでいるほどです。そのほか、authorship(数々の有名な戯曲は本当にシェイクスピアが書いたのか)または sexuality(同性愛者だったとも、年上の愛人がいたとも言われています)など謎は尽きません。
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↓妻アン・ハサウェイの家。ロンドンで地位と名声を得たのちのシェイクスピアは、故郷ストラトフォード・アポン・エイボンとロンドンを往復する人生だったと言われています。52歳没。
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ストラトフォード・アポン・エイボン散策後のランチは娘が住む街のピッツェリアで。
「ヒョウの斑点」という面白い名前のレストランだけど、ピザの味は確かで、すごく美味しい。

タウンホールの建物が素敵な娘の住む街は、中世から栄えたイギリス中部の古い街。娘が住んでいると思うだけで懐かしいあたたかい気持ちになります。
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次の日は、ロンドンでも珍しいフィリピン料理を食べに行きました。
葉っぱにくるまれた鮭の味噌漬けや、豚の足の香ばしいローストがとても美味しかった。
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我が家のイタリアングレイハウンドミックスのトフィーは、娘が私の友人からもらってきた犬です。あんなに犬が欲しい、と言って飼った犬だったのに、そして本当に愛していたのに、彼と暮らすために私に残していきました。

窓辺に飾られたぬいぐるみは小さい頃から娘が一つ一つ集めてきたもの。こちらは彼と暮らすときに全部うちから持っていきました。
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本当に行くの、と最後まで引き止めたかった母親に「彼のおうちとこのおうちを行ったり来たりするだけだから大丈夫。」と明るく笑顔で、まるで朝起きて大学に行くかのようにあっさり出ていきました。引っ越しも「彼と二人でするから心配しないで。」と手伝わせてもくれなくて。

嘘つき。

娘が出て行って初めて娘の部屋に入った時、小さい頃から大切にしてきたものをすべて娘が持って行ったことを知りました。ぬいぐるみばかりか、大好きだった絵や本や写真や、お気に入りのお洋服やアクセサリー、大事にしていた古いブランケット。残されたものは娘がそこまで好きではなかったものばかり。

部屋の真ん中にくたくたと座り込んだ私は涙が止まらず。けれども、19歳の決心が痛いほどにわかり、黙ってこのまま行かせようと思いました。

あれから15年。今でも二人はいつもいつも一緒にいます162.png113.png

# by mummysophia | 2024-06-01 08:16 | 家族 | Comments(0)
正規留学の前に行くイギリスの学校
紫のブルーベルと薔薇とフレンチラベンダー、ピンクの石楠花とボタン。
ロンドンに華やかな花の季節が来ました。

特に先週後半は気温がぐんぐん上昇し、いきなり初夏の陽気。
そんな中、ロンドンから南西に向かって車で2時間半(約175km)5月のイギリスの緑の木立の中を走り抜けて、学校訪問に行ってきました。
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気候温暖で風光明媚なサマセット州とウイルトシャー州のちょうど境目にあるこの学校、普通のボーディングスクールとは一味も二味も違います。いわゆるtransitional school (準備校)として各国留学生と父兄の間で評判が高い。

英語がまだ十分にできないインターナショナルステューデントを引き受けて、徹底的に英語力を鍛え、イギリスの文化や常識や生活の基礎を教え、つまりイギリスのボーディングスクールでやっていけるだけの準備をしっかり整えてやって、正規留学のルートに送り込む、という機能性の高さ。留学生は夏休みだけ在籍する子もいれば、一学期だけ、二学期だけ、あるいは一年から二年と実にフレキシブル。

訪問する前は、組織的な留学生教育を行う大手の学校、というイメージを抱いていたのですが、イギリスのカントリーサイドの村の中にいきなり出現するこのボーディングスクール(実際一度通り過ぎてまた戻った)実は私の先入観とは全く違う学校でした。

こじんまりしたアットホームな雰囲気。面倒見がよくてとてもあたたかーい学校だったのであります。
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まずは学科主任(Director of Studies)の先生と20分ばかりミーティング。留学生教育のメソッドについて詳しくお聞きしてきました。チューターとしては参考になることばかり(業務秘密です。笑)

そのあとは寮の見学。下の写真はティーンエージャーの女子寮。寮というよりは普通のおうちをシェアハウスしているような印象。どのお部屋も窓から緑のガーデンが見え、光がいっぱいに差し込んで明るい。
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私は特にこの居心地よさげなキッチンが好き。
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寮を見学した後は、学校理事とアドミッションヘッドの方と三人でランチ。
フレンドリーな雰囲気の中で、昨今の留学生事情やイギリスの教育制度について様々な角度から話し合ってきました。キャンティーン(学食)のランチのお味もなかなかだったと付け加えておこう。

さて、この学校は周りに何もないと思われたのですが、実はご近所に素晴らしいカントリーホテル&スパがあるのを発見。そしてなんと、18年前に我が家の子供達と三人で、まさにこのホテルに3日間滞在したことがあったことをいきなり思い出しました!

懐かしくなって、帰路お茶を飲みに寄ったのですが、相変わらず素敵だったわ113.png
スパトリートが人気らしく、戸外のティールームは白いバスローブを羽織ったスパ上がりの幸せそうな宿泊客でいっぱい。若いゲストも多く、平日のお昼というのに、この映画俳優のような若いハンサムな男性は、一体この時間にここで何をしているのか~!

まあ、私は私の道を行きますからいいけどね119.png
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帰路は、夏至まじかで賑わうストーンヘンジの真横をドライブしてロンドンまで。

巨石文化の謎は、社会人類学を学ぶと祭礼のためだったという説明がよく理解できます。人間が集団で信念や感応力を集中させる時のパワーはすごいですもんね。
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英国一の高さを誇る美しい尖塔のあるカテドラルを有するソールズベリーも近い。

また一つ、イギリスの教育のいい面を具現化したような学校に出会い、大好きなイギリスの初夏のお天気とカントリーサイドの風景。疲れたけどしみじみといい一日でした。

イギリス留学したいけれど、英語力が不安なため躊躇している。従ってtransitional school (準備校)に興味があるという方、ご連絡くださいね。
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# by mummysophia | 2024-05-13 20:17 | イギリス留学 | Comments(0)
アントワープとブリュッセル
ロンドンから最も行きやすい外国の一つ、ベルギーにお出かけしてきました。

なんといっても、ベルギーの首都ブリュッセルまでユーロスターでわずか2時間、それなのに、言語は違い、文化は違い、異国らしさが味わえるなんて嬉しい。今回はブリュッセルから在来線に乗ってご近所のアントワープまで足を延ばしました。

アントワープ中央駅は本当に綺麗な建物。
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まず、同行の友人G子に引っ張って行かれたのはアントワープのノートルダム大聖堂。日本人にはお馴染み「フランダースの犬」の舞台ですね。

カテドラル自体は100m以上の高さの塔がそびえ立つベルギー最大の教会で、大変荘厳なゴシック建築。なのに、大聖堂の前の広場に横たわるネロとパトリッシュの像が不釣り合いに可愛い113.png
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↓これが(日本人には特に)有名なルーベンスの絵「キリスト降架」
少年ネロが死の間際に見たいと切望した絵はこれ(とG子にしつこく説明されました)
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マルクト広場のギルドハウス。右下は市庁舎
アントワープは街並の綺麗な古い都。
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そしてアントワープと言えばデルレイのチョコレート
美味しくて美しくてファンも多い。
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もっとっゆっくりしたかったけれど、時間が限られていたので、この後まっすぐブリュッセルに向かう。

ブリュッセルでは徒歩で移動。芸術の丘からグランプラスを臨む。グランプラスは11-12世紀の市場跡広場。ゴシック建築の美しいギルドハウスが並んでいます。
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王立古典美術館

ルーベンスやブリューゲルやそのほか古典絵画の名作が数多く収蔵されていました。
中世の人々の暮らしをいきいきと描いたブリューゲルの絵は、町のざわめきや人々の叫喚が聞こえてくるようで、私はいつまでも見ていたくなってしまいます。
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王立古典美術館の隣は王立近代美術館

ベルギーシュールレアリズムの巨匠ルネ・マグリットの絵がたくさんあると聞いて、シュールは特に好きではないので、あまり期待しないで行ってみたら、繊細で不思議な魅力にあふれた数々の絵にくぎ付け。

マグリットという人がこのように美しい絵を描く人だったとは。中途半端に固定概念を持つのはいけませんね。
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美術館巡りの後は、みんなが行くベルギー名物メゾン・ダントワのパンケーキ。

甘みの少ないサクッとした軽いパンケーキに、薫り高いチョコレートの組み合わせは確かに美味しい!
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とにかくベルギーと言えばチョコレート。
街中にこれでもかとあふれるチョコレートショップ。
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私はずっとMaryが一押しでしたが、お友達が教えてくださったElizabethもとても美味しいことを発見。
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思ったより見どころが多く充実の旅でした。

が、アントワープ&ブリュッセル通のお友達からは、日帰りなんてもったいなさすぎる!と嘆かれた。確かに駆け足過ぎて、きちんと座って美味しいものを食べなかったような。他に見るべきものもまだいろいろありそう。是非もう一度ゆっくり遊びに行きたいと思います。

# by mummysophia | 2024-05-02 13:30 | | Comments(0)
  

歴史とマルチカルチャーの都ロンドンに暮らして30年。日英バイリンガル教育と海外留学に関わる仕事をしています。
by lamsophia
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